さよならのあとで
可愛がってもらっている先輩がいる。慕ってくれる後輩がいる。それはとても素敵なことで、僕はなんて恵まれているんだろうと思う。
僕は分かりやすいと言われた。これまでもそうした言葉をもらうことが多かった。嘘がつけない性分で、それで損をしたこともあればそれが良さなんだと背中を押されたこともある。
そんな僕を「かわいいね」と言ってそばにいてくれる人がいれば、それより幸せなことはこの世にはない。
もしそんな人が現れたなら、僕はこの身を捧げて愛を誓おう。
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自分でも裏表のない人間だと思う。だから無性に、裏の顔が見える人に腹が立つ。ここで言う"裏の顔"とは、自分のことだけしか考えられない心理だ。でもそれは同時に人間らしさでもあって、否定することはできない。人間みんな自分が可愛いから仕方がない。ただ自分とは肌が合わないなと距離を置くだけだ。
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僕は性善説で生きている。弟は性悪説で生きているという。同じ兄弟でまるきり考えが異なるのも面白い。
だから、みんな清らかな心を持って生まれていると思っている。道を踏み外したり、非行に走ったりする人は何かの因果関係があってのことなんだと考える。だから、自分に理解できない行動をする人に対してとても悲しい気持ちになる。
でもそれは僕のエゴで、世の中には色んな人がいる。みんな違ってみんな良い。それが人間という生き物だから。だから争いは無くならない。不条理も無くならないし、希望が無残にも砕けてしまうこともある。
だからこそ、そんな世界だからこそ、心の通じ合える人に出逢えたときの感動は格別なのだ。
だから、お世話になっている人、自分を大事に思ってくれる人を蔑ろにしてはいけない。誠心誠意で感謝を伝える必要があるんだ。
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"ルキンフォー どこまでも
つづくデコボコの道をずっと歩いていこう
初めてだらけの時から時へと
くぐり抜けた心 君に繋げたい
届きそうな気がしてる"
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「ああ、この人は自分にはない世界が見えているんだなあ」と思ったときの喜びは、何と表現するのが正しいのだろう。
僕はこの気持ちを恋と呼びたい。