蘇生
水色の街まで飛んで行きたいのに、僕にはまだ羽根がない
指を咥えて眺める青々とした空
気持ちの良い声で歌いたいのに、僕にはまだ喉がない
美しいメロディなら浮かんでいる
玉虫色の未来の為に、ゴムみたいな日々を飲み込む
遠くで凛と咲く花の香りで何とか息をしている
希望を掬い上げたいのに、僕にはまだ両手がない
代弁するように悲しそうに降り出した雨
地面を蹴って駆け出したいのに、僕にはまだ足がない
少しは走り方なら知っている
虹の掛かる道の先を、溜息を吐きながら想像した
その向こうで凛と咲く花の美しさをいつの日か感じたくて
心は持っている
僕はこれから生まれる
そう信じている