水色メランコリー

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素敵なものを求めて彷徨う。 ぬるゾンビ/ぬるゲーマー/ぬるロマンチスト

太公望

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父と2人で釣りに行ってきた。

いつの頃からか、父とは大事なとき以外はあまり話をしなくなって、家で会ってもお早うすら言わないことはざらにある。そんな父から「釣りに行くか?」と誘われたときは正直驚いた。でも、折角の機会だし、断る理由も特に無かったので、誘われるがままに次の日の朝には公園側の川に向かっていた。片道1時間半の車内は、平日に仕事を休んでいるので幾つかの業務を電話で済ませたあと、仕事や生き方の話なんかをして、とても新鮮だった。

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父は先月還暦を迎え、有給休暇を消化し既に勤め上げた会社を退職している。

寡黙なひとで、家には一切仕事のことを持ち込まない。少なくとも僕ら兄弟は(というか僕は)全くと言っていいくらい愚痴など聞いたことがない。きっと不満や理不尽だって幾らでもあっただろうに。

その代わり、気ままな人、気分屋だというイメージがあった。脈略無く不機嫌になったり、かと思えば突然出掛けようと言い出したり、そういった印象を持っていたから、僕の中では父は「よく分からないひと」だったのだ。まあ、僕以上に付き合いの長い弟からすれば「あんなに分かりやすいひとはいない」らしいのだが。

でも、父を尊敬する部分は多くある。特に「嘘をつかない」こと。

これはもしかしたら、嘘をついてもバレるからかもしれない。それは息子の僕もそうだから何となく分かる。それが分かっているから、嘘をつかない。本当のことを言いたくないときは黙る。そんな風に生きてきたんだと思う。

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僕は今年30歳、父は還暦。ちょうど今の僕の年齢で僕に出逢っているのだと思うと、それからの僕の人生や父の人生を想って少し泣きそうになる。

沢山の迷惑を掛けた。きっとこれからだってそうだ。でも、還暦を迎えて、仕事もひと段落して、自分の時間が増えた今からを少しでも笑ってもらえるように、親孝行しなくちゃなと思う。

連れて行ってくれてありがとう。

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ケイトウの花言葉は「おしゃれ」「色あせぬ恋」

鮮やかな色が印象的だから、すぐに目に付く。

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笑っている向こう側で、本当は怯えているんだと知っているよ。

だから僕と一緒にこの世界を憂いていよう。

素敵な色にしようよ。