水色メランコリー

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素敵なものを求めて彷徨う。 ぬるゾンビ/ぬるゲーマー/ぬるロマンチスト

空洞ですか?

手段が目的になってはいけない

最近の僕が感じていること。

これはよくビジネスにおける戒めとして言われることの多いフレーズで、形骸化などの例として挙げられることが多いが、こと仕事以外に於いても同じことが言える。

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例えば、僕は映画が好きで"今年映画を50本は観る"という目標を立てている。けれどこれは「映画を50本観ること」が目的ではなく、本来の目的である「映画そのものを楽しむ」ことを忘れてしまったら本末転倒であり意味がなくなってしまう。極端な例を挙げれば、1年が終わる前にあと3本を残していたとして「うわ、急いで観なきゃ」と息巻いて早送りして観るなどすれば観賞後の余韻もへったくれもあったものではない。

 

その現象は、凝り性の僕は頻繁に経験していた。音楽が好きでよくCDを買っていたが、中古屋などでジャケ買いした安価なCDがとても良かった…という体験を重ねるうち、いつの間にか大量の安価なCDを購入し聴くことに追われる、この時点で音楽をしっかり楽しんでいるとは言えないのだけど、酷い話が聴かずに積んだままのCDもあって最早何がしたいのか自分でも分かっていなかったと思う。

 

こうした"無意識の目的の摺り替え"はある種の危険を孕んでいて、思わぬストレスを招くことになると最近ようやく実感してきているところなのである。

本来の目的や大切にしていることを忘れてしまい、好きだと思っていたことが実は蓋を開けてみれば空洞だった…というのは悲しいを通り越してホラーのそれに近い。

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空洞です 

空洞です

空洞です

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  • ロック
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口に出すと恐ろしくなるが、恋人同士や夫婦においても同様に「あれ、なんでぼくらは一緒にいるんだっけ?」なんてことにならないようにしたいものである。

ただ視点を変え様々な状況を鑑みれば、形骸化に気付かない方が幸せなこともあろうけれど。

大切なひとと一緒にいるということはただそれだけで幸せなことです。

輪郭

好きだった心の温度や、吸い終わったハイライトのパッケージの端に書かれた言葉、楽しそうに揺れるバンドのTシャツ、甘いカルピスソーダの炭酸に歪んだ顔、足を運んだアーティストの演奏も、あの夏に語り合った未来さえ、今は何処かの岸に見る影も無く打ち上げられている。

 

夢を見たあとの余韻に心が引っ張られるのとほぼ同じ見た目のそれは、宙ぶらりんにさせられた頭に時折ふっと浮かんでは少し細くなったこの首を爪痕が残る程締め付けてくる。

でも、思い出すのは記憶の表情ではなく、輪郭。

 

等身大で、両手から溢れない大きさの幸せなら?

 

別の街であの温度に触れたい。

若しくは触れたことのない心地の良い風に身を委ねたい。

このまま歩き続けて、僕は胸を焦がす何かに出逢えるのだろうか。

こんな衣服で、心許ない荷物で、辿り着けるのだろうか。

きっと素敵な景色をこの目に見るまで、取り敢えず歩いてみるよ。

むーびー

最近観た映画たち。

 

  • ゴーストワールド

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数年ぶりに観たけど、ソーラ・バーチもスカヨハもかわいらしい。それを上回るブシェミの最高さ。モラトリアムからの脱却、決してそれを美しくは描いていないところも素敵だ。

 

  • ア・ゴースト・ストーリー

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ケイシー・アフレックとルーニー・マーラが主演。シーツを被った幽霊って設定もインディペンデント感あるんだけど、台詞も少なめ、死生観と価値観を揺さぶる映画。この作品のお陰で目の前の愛に感謝を忘れてはいけないって思ったよ。

 

  • ザ・ピーナッツバター・ファルコン

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人と人が繋がるのに理由なんて要らない。不条理の中に生きていても、少しの夢を見て揺れていくような、笑顔さえあれば幸せに暮らせるつて、そっと背中を押してくれるような映画でした。シャイア・ラブーフがハリウッドの問題児だって、スクリーンの中の彼は本当に輝いているよ。そしてダコタ・ジョンソンかわいい。

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今年は映画をたくさん観よう。昨年観られなかったぶんも含めて、無理しない程度にぼちぼちで。ゆっくり映画を観られる環境を作りたいな。

水色の世界は

年が明けて、2021年になった。

時間がめまぐるしく過ぎて、前回更新した2週間前と比べてもまた随分と変わった。

昨年末から思っていた、今年の抱負は「コンパクトに生きること」。

抱え過ぎた。これまでは何でも手に入れたくて、色々と拾い集めるうちに両手から溢れてしまっていた。欲しかったものなのに、結局溢して台無しにしてしまうなら悲しいだけだ。だから、両手で持てるくらいの幸せでいい。きっとその方がかえって幸せなのだ。

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そう思い始めてから食欲が出てきた。小さくなっていた胃袋が少しずつ大きくなって、肉がつき始めている。これはこれで良いことなのかもしれないが、折角締まった身体が勿体ないので運動はしないといけないんだろうな。

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去年の末からゴルフ熱が再燃している。

今年は2回目の100を切れるように頑張るぞ。

方向は良い、ミートもするようになったから、課題は飛距離、距離感、そして兎にも角にもグリーン周り。

パターはping(しかもレディース!)を買ったから腕を磨かないといけない。どれだけ叩いたとしてもせめて3パット。基本的に2パットで収められなかったら練習不足です。

打ち込めるものがあるのは良いこと。そのときは悲しいことも忘れられる。

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父と母、弟に恩返しがしたい。目をかけてくれるひとに感謝を伝えたい。

今年のもう一つの抱負は、「目の前の愛への感謝を忘れないこと」。誰かが気にかけてくれるということは本当に幸せなことで、それをぞんざいにしてはいけない。忘れちゃだめだ。

 

時間は有限で(time is moneyとも言う)、そんな中一緒の時間を過ごしてくれるひとに愛を伝えたい。

 

コーデュロイ

痩せたので、服を着るのが前より楽しくなった。

以前から洋服は好きなんだけど、ここ数年は殆んど新しい洋服も買ってなかったから、素敵な服を見つけると嬉しくなってついついたくさん買ってしまう。

特に冬は、色々と着込めるからとても楽しい。お洒落であたたかい服装を着て出掛けるって、それを想像するだけで嬉しくなる。

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今日はcurlyのフェルトっぽい生地のコートを買った。藍色で可愛かったから。でも今年はこのコートを一番着たいシーンが無さそうだから悲しい。来年まで待たないといけないなんて…

着込みたいねって話をして、楽しみにしていた冬も、色を変えて物悲しく映る。灰色の空はあたたかそうにも寒そうにも見えるのです。

 

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コーデュロイシャツが4色ある不思議。

コーデュロイはあたたかいから好きだ。

モノローグ

哀しいほどに、何の進展も無かった。

ただ無駄に月日が過ぎて、苦しい思いをして手に入れたものが流れていく。

目に見えて、もはや現実かどうかさえ怪しくなるくらいの理不尽が手に取るように感じられた。

あたたかさなんて何処にもない。あるのはただの悪意と上辺だけの言葉。

 

ふと浮かんできても心の何処かへ押しやっていたけれど、行き着く先がこんな結末だと知っていたなら、果たして僕は選び取ったのだろうか?

 

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ひとの心の移ろいを思う。

悪意、怒り、苛立ち、そんなものはこの世から無くなれば良いのにとも。

それは僕の中の感情に対しても。

 

過ぎていく日々はそれらを洗い流してくれるのだろうか?

いつかの未来にもまだ吹き曝しの状態で残されたままなのだろうか?

 

いずれにしても、後ろ向きの話はもういい。

僕の方なら、ひとの心を持ちたいよ。

our love

Are We There

シャロン・ヴァン・エッテンがとても良い。

at the bottom of the well

i'm reliving my own hell

someone threw the ladder down

still don't know what

i have found

in our love, in our love

Our Love

Our Love

  • Sharon Van Etten
  • オルタナティブ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

最近好んで女性SSWばかりを聴いているわけだけど、サッカー・マミー、ジュリアン・ベイカー、スネイル・メイル、ロング・ビアード、ビーバドゥービー、フィービー・ブリジャーズ…本当にどれも格好良くて、音楽の素晴らしさ、インディーミュージックが肌に合うことを再確認している。

音楽が好きで良かったと嬉しくなって、すっかり冬の装いになった空を眺めながらちょっとの間の満足感を得ていた。

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一方で、どんな音楽にも敵わないものがある。

ただ、今の僕は、手足の枷だけではなく喉まで奪われてしまっていて、それでもこの心だけは庇って大事に抱き締めている。

その願いすら叶わないのならそんな世界は要らないとさえ思っていて、それくらいには真っ直ぐでいるつもりです。

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もうすぐ、人生の岐路と呼べる、しとしとと雨の降る小径に差し掛かっている。

それから先の景色がどうなっているのかは誰にも分からないけれど、きっと澄んだ青空が待っていることを信じて進み続けるしかない。

その道半ばで雨宿りする大切なひとが待っていたなら、その手を取って素敵な街を目指して歩こう。

きっと雨上がりの空は綺麗だよ。