「見えない目撃者」
監督: 森淳一
2019年(日本)/128分
キャスト: 吉岡里帆、高杉真宙、大倉孝二 他
以下結末に触るネタバレちょこっとありなので、未鑑賞の方は読まない方が良いかもしれません。
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吉岡里帆さんが好きで、彼女が出るサスペンス映画、という軽いスタンスで鑑賞したのだけど、ごめんなさい。とっても面白かったです。
彼女の演技を観るのは実は初めて。
オリジナルの韓国版も知らず予備知識なしで見たので、予想だにしない"儀式殺人のシリアルキラーもの"で思わず唸った。なるほどR15って人体損壊描写があるからか。
視覚障害という一見ハンデキャップに思える部分を、様々な場面で上手く映画の中で用いている。主人公なつめ(吉岡里帆)が事故から立ち直ること、もう一人の主人公春馬(高杉真宙)の漠然とした将来に光が差す成長物語でもある。「見えない目撃者」っていうタイトルも色々な意味が合わさっていて秀逸。
子に無関心な親、SNS、テレビ電話など、現代の光と闇を映し出し、悲しい出来事や不安からも前を向いて進んでいくあたたかなラストにほっと胸を撫で下ろした。伏線回収もしっかりあって、物語の作りも巧み。
脇を固める大倉孝二、田口トモロヲ、國村隼、松田美由紀など役者陣もまた良い。
特に浅香航大のサイコパス感にグッときた。バイオレンスな描写もしっかりしてて、あっさり人が殺されてしまうのが恐ろしかった。
そして吉岡女史の全盲の演技に拍手。というか本当にお綺麗です。
彼女が本当に"見えていた"ものって、一体何でしょうね。
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you can't escape my
private eyes they're watching you
they see your every move
private eyes they're watching you
private eyes
watching you..
君は僕からは逃げられない
その動きは全て見張られているんだよ
君は見られているんだ
そう、僕は目を光らせている…